若いころからずっと便秘という方もいれば、年齢をある程度重ねてから便秘になった、というように様々なタイプがあります。一般的に便秘は、生活環境を原因とすることが多いですが、詳しい原因について知っている人はとても少ないでしょう。原因を知っておくことで予防できたりするものですから、まずは便秘の特徴を知ることが大事です。便秘の症状や兆候、種類、原因を知っておくことで、自分の便秘のパターンがわかってきます。そのパターンに応じた解消法をみつけることが、便秘改善への最も近い道のりと言えるでしょう。
あなたも便秘かも?!便秘の症状や兆候
便秘には明確な定義はないのですが、目安になることはあります。なんとなく便秘かも?と心配されている方は、まずこの目安を頼りにしてみてください。この目安からかけ離れていれば、それは便秘ではないのかもしれません。では、便秘の目安とは?
これが便秘の目安として参考にされています。でも、これでは少し漠然としすぎていますよね?もっと具体的にみてみましょう。
まず、正常な排便を行えている人(便秘ではない人)は1日に1回は排便があります。しかも、無理をして出すのではなく、自然な形で出すことができます。残便感も少なく、排便後はお腹がすっきりとした状態になります。
一方便秘の人は3〜4日ひどいときは5日以上も排便がない状態が続きます。日数が長くなるほど便秘である可能性は益々高くなります。毎日便が出るのに便秘、という場合もあります。この場合、残便感が強くあり、排便後にお腹がすっきりできない状態を指します。時折、すごくひどい下痢に悩まれる、という方も便秘である可能性は高いです。
便秘の種類は大きく分けて2つある
「便秘」と単純に一括りにされることがとても多いですが、便秘には「急性便秘」と「慢性便秘」といった形で大きく2つの種類に分けられます。さらにここから細分化されることになります。原因を知ることでより早期に解決できる可能性が高くなるので、自分がどういった種類の便秘であるか、を確認してみましょう。
急性便秘
急性便秘は「一過性単純性便秘」と「症状性便秘」に分けられます。
一過性単純性便秘は、食生活を原因とするパターンが多いので悩まされる確率が高いです。ただ、言い換えると、食生活を見直すことで改善できる可能性も高くなるということですので、比較的、早期に便秘を解消できる可能性が高いです。
症状性便秘とは腸閉塞(腸が狭くなったり、詰まったりすること)や腸捻転(腸がねじれて通過障害を起こすこと)といった病気によって起こる便秘のことです。医療機関での治療が解決への近道といえます。治療後は過労や睡眠不足、暴飲暴食を控えることが大事です。
慢性便秘
慢性便秘は「常用便秘」と「症候性便秘」に分けられます。
常用便秘とは、腸の緊張がゆるんだり、直腸の反応が鈍くなったり、トイレを我慢することで腸が詰まったり、ストレスによって腸のぜん動運動が弱まるなど、腸の機能低下が原因で起こる便秘症のことです。多くの方はこの常用便秘に悩まされていると言われています。
症候性便秘は、腸内での便の通過を妨げる病気によって起こる便秘症のことです。大腸がんや大腸ポリープがその代表例としてよく挙げられます。病気の種類によっては命にかかわるものもあるので、早期の治療が必要になることもあります。なお、症候性便秘の場合は便秘解消サプリやマッサージなど腹部に刺激を与える行為は悪影響になるので控えないといけません。
知っておきたい便秘の原因【まとめ編】
便秘には実に様々な原因があります。自分がどの原因に当てはまっているのか、チェックリストにチェックを入れてみましょう。チェックの数が多いほど、便秘症である可能性はとても高いです。もちろん、チェックの数が少なくても、便秘症である可能性はあるので、チェックが1つでもついたら、要注意です。
食生活の乱れ
食物繊維や酵素の摂取量が不足すると便秘になりやすいです。食物繊維には整腸作用を促す働き、酵素には消化を促す働きがあるためです。食物繊維や酵素は特に野菜類に多く含まれることから、飲み会が多くなったり、コンビニ弁当をよく食べる、偏食家の方は不足しがちになります。
運動不足
例えば、運動不足により腹筋の力がなくなると、腹圧が弱くなり、便を押し出す力が低下してしまうのです。便を押し出す力が弱くなることで、普段出るはずの便が出なくなり、これが続くと便秘症状が悪化します。
普段あまり水分を摂らない
便は水分を多く含むようになるとスムーズに流れるようになります。これが快便です。一方、普段から水分をあまり摂らないようになると、腸内の水分も不足してしまい、便が硬くなってしまいます。便が硬くなることで、排便しづらくなる=便秘になりやすくなるのです。
便意を我慢する
理想的な排泄というのは、便意が来た時に出すことです。でも、仕事などを理由にどうしても我慢してしまうことがあります。我慢する状態が続いてしまうと、直腸の感受性が鈍くなるため、やがて便意を感じにくくなってしまうのです。普通の人で感じるはずの便意を感じなくなり、その結果、便秘症状を引き起こしてしまうことになります。
ストレスを溜め込む
ストレスは関係ないように思われがちですが、大ありです。ストレスが溜まると自立神経が乱れますが、自律神経には交感神経と副交感神経のバランスを保つ働きがあります。このうち、交感神経が優位になってしまうことで腸のぜん動運動が抑制されてしまい、結果、便が出にくくなってしまうのです。
便秘薬の頼りがち
日常的に便秘が続くことになると「便秘薬」に頼ることになるでしょう。便秘薬とはいわゆる下剤などのことです。下剤を慢性的に使うようになると、体が次第に慣れてくるので、日に日に下剤の量を増やさないと出なくなってしまうのです。便秘薬に依存してしまうと、自然な形で便意がくることがほとんどなくなり、慢性的な便秘症状が続いてしまうことになります。
老化
少し意外かもしれませんが、体の老化も便秘の原因のひとつです。加齢とともに腸内の善玉菌が減り、悪玉菌が増えてしまうことで、有害物質がつくられやすくなり、便秘になってしまいます。また、年齢を重ねると筋力も低下し、これは腹筋の低下も意味します。腹筋が弱くなると押し出す力も弱くなってしまうため、出そうにも出なくなってしまうのです。